新法令・通達

新法令・通達の解説

(令和2年4月28日までの発表・公布・施行分)
塩基性酸化マンガン等の取扱事業者に作業主任者選任等を義務づけ
令和2.4.22 政令第148号=労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令

長期にわたる毒性があるなど、取り扱うことによって労働者に影響をもたらすリスクのある物質は、健康被害等をもたらさないための慎重な取扱いが求められ、特定化学物質としての規制が行なわれています。
特定化学物質の取扱事業者は、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)によって、製造予定数量等の届出や、容器等に環境の汚染を防止するための措置等に関する事項の表示などの義務が課せられています。
厚生労働省の「化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会」は、労働者への健康障害のリスクが高いと認められる塩基性酸化マンガンと溶接ヒュームについて、第2類特定化学物質として位置づけ、規制が必要とする報告書をとりまとめました。これを受け、労働安全衛生法施行令が改正されています。

■特定化学物質の追加

特定化学物質のうち第2類物質に、塩基性酸化マンガン等および溶接ヒューム等が追加されます。

■作業主任者を選任すべき作業の追加

塩基性酸化マンガンおよび塩基性酸化マンガンを含有する製剤その他の物、溶接ヒュームおよび溶接ヒュームを含有する製剤その他の物を製造し、または取り扱う作業が、作業主任者を選任しなければならない作業に追加されます。

■作業環境測定を行なうべき作業場の追加

塩基性酸化マンガン等を製造し、または取り扱う屋内作業場が、必要な作業環境測定を行ない、結果を記録しておかなければならない作業場に追加されます。
なお、溶接ヒューム等に係る業務については、作業環境測定の適用は除外されます。

■健康診断を行なうべき有害な業務の追加

塩基性酸化マンガン等と溶接ヒューム等を製造し、または取り扱う業務が、有害な業務に従事する労働者に対する医師による特別の項目についての健康診断(特殊健康診断)を行なわなければならない業務に追加されます。

本政令は、令和3年4月1日から施行されます。

その他の新法令・通達

  • 自動運転車普及への道筋
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  • 新型コロナウイルスに対応するための雇用調整助成金の特例措置が大幅に拡大されました。
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  • ICTの環境整備
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出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック