新法令・通達

新法令・通達の解説



一定の短時間労働者に正社員との均等待遇を義務づけ
(平成19.6.1.法律第72号=短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律、ほか)

 安倍首相が掲げる再チャレンジ支援策(格差是正)の一つで、正社員との差別的な待遇の禁止などを定めた「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律(改正パート労働法)」が成立しました。
 改正により、業務内容やその業務に伴う責任の程度が、その事業所に雇用される通常の労働者と同じ短時間労働者(以下、「職務内容同一短時間労働者」といいます)で、期間の定めのない雇用契約を締結しており、通常の労働者と同視すべき短時間労働者については、賃金その他の待遇に関して差別的な取扱いが禁止されます。
 なお、ここでいう期間の定めのない契約には、期間の定めた契約の反復更新によって、実質的には期間の定めがないと認められるものが含まれます。
 待遇に関する具体的な改正内容は次のとおりです。

  • 賃金

  • 職務内容同一短時間労働者で、通常の労働者と同視すべき者については、通常の労働者と同一の方法で賃金を決定するよう努めることとされました。

  • 教育訓練

  • 通常の労働者に実施する教育訓練で、職務の遂行に必要な能力を身につけるためのものについては、原則として職務内容同一短時間労働者にも同じ教育訓練を実施しなければなりません。
    また、通常の労働者との均衡に配慮して、雇用する短時間労働者の職務内容、能力、経験等に応じ、適宜、教育訓練を実施するよう努めることとされました。

  • 福利厚生施設

  • 通常の労働者に利用させる福利厚生施設で、厚生労働省令で定める一定のものについては、雇用する短時間労働者に対しても、利用の機会を与えるよう配慮しなければなりません。

  • 通常の労働者への転換

  • 通常の労働者への転換を推進するため、雇用する短時間労働者に対して、次のいずれかの措置を講じることとされました。
    1. 通常の労働者を募集する際、事業所に掲示するなどの方法により、その従事すべき業務内容、賃金、労働時間などを、事業所で雇用する短時間労働者に周知すること


    2. 新たに通常の労働者を配置する場合には、その配置する事業所で雇用する短時間労働者に対して、配置の希望を申し出る機会を与えること


    3. 一定の資格を持つ短時間労働者を対象とした通常の労働者への転換試験制度を設けるなど、通常の労働者への転換を促進するための措置を講じること

    この法律は、一部の規定を除いて、平成20年4月1日から施行されます。


    ◎ 戸籍法の一部改正
     戸籍に記載された個人情報の保護を目的とする戸籍公開制度の見直し、戸籍謄本等の交付を請求できる場合の制限、不正に交付を受けたものへの処罰など、所要の整備が図られました。
     公布の日から起算して1年6か月を超えない範囲内で、政令で定める日から施行されます。
    (平成19.5.11法律第35号=戸籍法の一部を改正する法律)
    ◎ 憲法改正手続きが明らかに
     日本国憲法の改正について、国民投票に関する手続きなどが定められました。
     一部の規定を除いて、公布の日から起算して3年を経過した日から施行されます。
    (平成19.5.18法律第51号=日本国憲法の改正手続きに関する法律)
    ◎ 刑法の一部改正
     危険運転致死傷罪の対象が「四輪以上の自動車」から「自動車」に変更されました。また、自動車運転過失致死傷罪が新設され、自動車の運転上で必要な注意を怠り、人を死傷させた場合には、7年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金に処せられます。
     一部の規定を除いて、公布の日から起算して20日を経過した日から施行されます。
    (平成19.5.23法律第54号=刑法の一部を改正する法律)
    ◎ 三角合併解禁に伴う情報開示
     合併等対価の柔軟化(三角合併の解禁)に伴い、消滅会社の株主等に適切な情報が開示されるよう所要の改正が行なわれました。施行は5月1日です。
    (平成19.4.25法務省令第30号=会社法施行規則の一部を改正する省令)
    ◎ 海洋基本法が成立
     この法律は海洋に関して基本理念を定め、国や地方公共団体等の責務を明らかにするものです。公布の日から起算して3か月を超えない範囲で、政令で定める日から施行されます。
    (平成19.4.27法律第33号=海洋基本法)
    出典・文責:日本実業出版社・エヌ・ジェイ出版販売