新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成22年2月3日までの公布分)

国税庁が「配当免税制度」の適用に関するQ&Aを公表
平成22.1.20国税庁公表=外国子会社配当益金不算入制度(配当免税制度)に関するQ&A、ほか

 平成21年度の税制改正により、一定の要件を満たす外国子会社からの配当等について、親会社の課税所得の計算上、益金不算入とする制度(以下、「配当免税制度」という)が導入されました(従来の間接外国税額控除制度は経過措置を講じたうえで廃止)。
 これにより、国外資金の国内還流に係る税務上の障壁が除去され、国内での研究開発投資等が増加することなどが期待されます。
 対象となる外国子会社は、内国法人の持株割合が25%(租税条約により異なる割合が定められている場合は、その割合)以上で、保有期間が6か月以上の外国法人とされています。
 また、外国子会社から受け取る配当の額からその5%相当額を、その配当に係る費用として控除します(その配当の額の95%相当額を益金不算入)。
 配当免税制度は、親会社の平成21年4月1日以後に開始する事業年度から適用されますが、外国子会社合算税制や外国税額控除制度との関係上、その適用に関して経過措置が設けられています。
 国税庁では、配当免税制度に関する取扱いについて、これまでに寄せられた主な質問に対する回答をQ&Aとして取りまとめ、公表しました(平成21年4月1日現在の法令・通達に基づいて作成)。
 主な項目は次のとおりです。

特定外国子会社等から受ける配当等に係る適用関係
適用除外の特定外国子会社等から受ける配当等に係る適用関係
特定外国子会社等から受けるみなし配当に係る取扱い
益金算入された配当等の額に係る外国源泉税の外国税額控除の適用

 国税庁では、参考になる事項については今後も順次、公表するとしています。

その他の新法令・通達

◎ 「外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律」は4月1日施行
 外国を当事者とする民事裁判手続き、外国の財産に対する保全処分、民事執行に関する日本の裁判権の範囲等について定めた本法(平成21年法律第24号)の施行期日は、平成22年4月1日です。
(平成22.1.22政令第2号=外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律の施行期日を定める政令)
◎ 受益証券発行信託の受益権の振替制度は7月1日から
 信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第109号)中、第61条「社債、株式等の振替に関する法律の一部改正」の規定の施行期日は、平成22年7月1日です。
(平成22.1.22政令第3号=信託法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部の施行期日を定める政令、ほか)
◎ 技能実習制度推進事業運営基本方針の改正
 厚生労働省の所管事業である技能実習制度推進事業の運営に関する基本方針が改正されました。平成22年1月22日からの適用です。
(平成22.1.22厚生労働省報告=技能実習制度推進事業運営基本方針の改正について)
◎ 結核回復者の要件の改正
 厚生労働省令で定める結核回復者は「結核医療を必要としないと認められてから2年以内の者その他結核再発のおそれが著しいと認められる者」に改められました。
(平成22.1.28厚生労働省令第10号=感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則の一部を改正する省令)
◎ 補正予算で地方交付税を加算
 補正予算により平成21年度分の総額を確保するため、約3兆円の地方交付税が加算されました。公布日からの施行です。
(平成22.2.3法律第1号=地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律)
◎ 雇用対策で国庫負担を追加
 平成21年度の求職者給付、雇用継続給付に要する費用の一部として、3,500億円の国庫負担が追加されました。公布日からの施行です。
(平成22.2.3法律第2号=雇用保険法の一部を改正する法律)

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック