(平成25年2月1日までの公布分)
継続再雇用者の社会保険の取扱いを一部改正
平成25年1月25日厚生労働省通達保保発0125第1号ほか=「嘱託として再雇用された者の被保険者資格の取扱いについて(通知)」の一部改正について
改正高年齢者雇用安定法の平成25年4月からの施行に伴い、定年でいったん退職し、同じ会社に再雇用される労働者の社会保険の被保険者資格の取扱いが変更されました。
●継続雇用される場合の被保険者の特例
現在の社会保険の制度では、被保険者の報酬が固定的賃金の変動によって大幅に変わった場合は、7月の定時決定を待たずに標準報酬月額を改定します。これを随時改定といいます。
この場合、変動を生じた月を含めて4か月後の月から、標準報酬月額が改定されます。
ただし、労働者が定年を迎えた後も継続雇用制度によって引き続き同じ会社に再雇用される場合、標準報酬月額が改定されるのは報酬が大きく変動した月からとなる特例があります。
手続きとしては、定年退職日の翌日(被保険者の資格喪失日は退職日の翌日)に資格喪失届と資格取得届を同時に出し、いったん資格を中断させます。これを同日得喪といいます。
この手続きを行なうことにより、定年後に報酬が大幅に下がっても、数か月間、定年前の高額の報酬に基づいた保険料を支払うことが避けられます。
●特例が適用されるのは「60歳以上」に
この特例が適用される被保険者の要件は、「特別支給の老齢厚生年金の受給権者であって、退職後継続して再雇用される者」とされてきました。
これが今回の改正では、「60歳以上の者で、退職後継続して再雇用されるもの」に対象が拡大されました。
これまでは、老齢厚生年金の特別支給の受給開始は60歳からとなるケースがほとんどでした。しかし、平成25年4月からは特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられるため、高齢者の継続雇用を支援する観点から改正されたものです。
この場合、その者が退職した後、新たな雇用契約を結んだことを明らかにできる書類(事業主の証明書等)を被保険者資格取得届に添付することは以前と同様です。
この取扱いは、平成25年4月1日から実施されます。
◎ 裁定請求の手続きの一部が変更 |
厚生年金保険等に係る裁定請求の請求漏れを防ぐため、被保険者および被保険者であった者に対して厚生労働大臣から裁定請求に係る手続きに関する情報を提供する旨の規定が設けられました。施行日は、平成25年4月1日です。 (平成25.1.9厚生労働省令第1号=厚生年金保険法施行規則及び国民年金法施行規則の一部を改正する省令) |
◎ 安全管理士等の要件が変更 |
安全管理士等の資格要件が一部変更になったほか、免許取消事由が追加されました。施行日は、平成25年4月1日です。 (平成25.1.9厚生労働省令第3号=労働災害防止団体法施行規則等の一部を改正する省令) |
◎ 船員手帳の再交付の際の事務手続きを一部改正 |
船員法の規定による事務のうち国土交通大臣の指定する市町村長が行なうものについて、船員手帳の再交付に係る手数料関係の規定が改正されました。施行日は、平成25年3月1日です。 (平成25.1.23政令第10号=船員法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令) |
◎ 特別管理産業廃棄物の追加 |
特別管理産業廃棄物として追加される廃棄物が規定されたほか、海洋投入処分が禁止される産業廃棄物についても追加されました。施行日は、平成25年6月1日です。 (平成25.1.23政令第12号=廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令) |
◎ 老齢厚生年金を繰上受給する際の規定を改正 |
特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢が引き上げられることに伴い、繰上受給の際の規定等が一部改正になりました。施行日は、平成25年4月1日です。 (平成25.1.30政令第21号=国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令等の一部を改正する政令) |
◎ 転廃業助成金等の適用 |
租税特別措置法に規定される転廃業助成金および減価補填金等の適用が決まりました。平成25年1月31日以後に終了する分の法人税に適用されます。 (平成25.1.31財務省告示第28号=租税特別措置法第67条の4に規定する転廃業助成金等を指定する件) |
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック