新法令・通達

新法令・通達の解説



社会保険庁を廃止し非公務員型の新組織に移行
(平成19.7.6.法律第109号=日本年金機構法、ほか)

厚生労働省設置法から、社会保険庁の規定が削除されます。
社会保険庁の廃止後、年金運営業務は、「日本年金機構法」により設立される年金公法人の「日本年金機構」(以下、「年金機構」といいます)に引き継がれます。


国と年金機構の役割分担

国は、公的年金に係る財政責任と管理運営責任を担います。
年金機構は、厚生労働大臣からの委任を受けて、その監督のもとで、政府が管掌する厚生年金保険事業と国民年金事業の運営業務(適用、徴収、裁定、給付など)を担うことになります。
また、年金機構は、厚生労働大臣の定める基準に従って、業務の一部を外部(民間)に委託できます。委託を受けた事業者には、秘密保持義務が課されます。


職員の採用等

年金機構の職員の身分は、非公務員とされます。
年金機構の職員は、原則として、現在の社会保険庁の職員から採用されます。具体的には、年金機構の労働条件と採用基準を提示し、職員となる意思表示をした者のうちから、一定の採用基準に従って採否を決定します。
年金機構の職員として採用されなかった社会保険庁の職員の転任、退職等の扱いは、国家公務員法の定めに基づきます。
なお、年金機構の職員や職員であった者に対しては、秘密保持義務が課されます。


日本年金機構法は、一部の規定を除き、平成22年4月1日までの間において、政令で定める日から施行されます。
その後、3年を目処に法律の施行状況、国民年金の保険料の納付状況などを勘案して全般的な検討を加え、必要があるときは所要の措置を講じるとしています。


◎ 雇用保険基本手当等の引下げ
 雇用保険法の規定に基づき、基本手当日額の最低額・最高額等の引下げ、高年齢雇用継続給付の支給限度額の引下げなどが行なわれました。8月1日から適用されています。
(平成19.7.2厚生労働省告示第234号=雇用保険法第18条第1項及び第2項の規定に基づき、自動変更対象額を変更する件、ほか)
◎ 新たな助成金の創設
 中小企業の労働者の健康維持や少子化対策として、労働時間の適正化(短縮)を図るため、平成19年7月3日より、中小企業労働時間適正化促進助成金制度が創設されました。
(平成19.7.3厚生労働省令第93号=労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令)
◎ 信託法関連の政省令を整備
 信託法(平成18年法律第108号)に基づき、信託法施行令、信託法施行規則、信託計算規則が定められました。改正信託法の施行の日から施行されます。
(平成19.7.4政令第199号=信託法施行令、法務省令第41号=信託法施行規則、同第42号=信託計算規則)
◎ 裁判員制度の最高裁規則が定められる
 裁判員の参加する刑事裁判について、刑事訴訟規則の特則その他の事項が定められました。一部の規定を除いて、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成16年法律第63号)の施行の日から施行されます。
(平成19.7.5最高裁規則第7号=裁判員の参加する刑事裁判に関する規則)
◎ 健康診断個人票の改定
 「腹囲」の項目が追加されるなど、健康診断個人票の様式が改められました。平成20年4月1日から施行されます。
(平成19.7.6厚生労働省令第96号=労働安全衛生規則の一部を改正する省令)
◎ 労災保険基礎日額の引下げ等
 労働者災害補償保険法施行規則の規定に基づき、労災保険給付における給付基礎日額の最低補償額を4,080円(改正前4,100円)とするなど、所要の改正が行なわれました。8月1日から適用されています。
(平成19.7.13厚生労働省告示第252号=労働者災害補償保険法施行規則第9条第2項及び第3項の規定に基づき、自動変更対象額を変更する件、ほか)
出典・文責:日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック