新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成23年9月30日までの公布分)

石綿健康被害救済法による特別遺族給付金の請求期限の延長と支給対象の拡大
平成23年8月30日法律第104号=石綿による健康被害の救済に関する法律の一部を改正する法律

石綿によって健康被害を受けた人の救済を充実させるために、石綿健康被害救済法が改正されました。

石綿健康被害救済法とは

石綿健康被害救済法とは、労災補償の対象とならない被害者を迅速に救済するために制定された法律で、平成18年3月27日から施行されています。
この法律により、労災補償の対象とならない周辺住民などに対して救済給付が支給されるとともに、労災補償を受けずに死亡した労働者の遺族に対して特別遺族給付金が支給されます。
特別遺族給付金とは、石綿を吸入することにより中皮腫や肺ガン等にかかり、平成18年3月26日までに死亡した労働者の遺族について、労災保険の遺族補償給付を受ける権利が時効(5年)によって消滅していた場合に、その請求に基づき支給されるものです。

改正の主なポイント

今回の改正の主なポイントは、以下のとおりです。

(1)特別遺族弔慰金等の請求期限の延長
石綿を吸入することで中皮腫や肺ガン等にかかり、平成18年3月27日より前に死亡した者の遺族の特別遺族弔慰金等の請求期限が10年間延長され、平成34年3月27日までとなりました。
また、石綿を吸入することで中皮腫や肺ガン等にかかり、それらの疾病にかかった旨の認定の申請をしないで平成18年3月27日以後に死亡した者の遺族の特別遺族弔慰金等の請求期限が10年間延長され、その未請求死亡者の死亡の時から15年を経過した時とされました。

(2)特別遺族給付金の支給対象の拡大
特別遺族給付金の対象者が、平成18年3月27日までに死亡した労働者の遺族から平成28年3月26日までに死亡した労働者の遺族へと拡大されました。ただし、労災保険による遺族補償給付を受ける権利が時効によって消滅した場合に限ります。

(3)特別遺族給付金の請求期限の延長
特別遺族給付金の請求期限が10年間延長され、平成34年3月27日までとなりました。
なお、この法律は、公布の日から施行されています。

その他の新法令・通達

◎ 子ども手当の支給等に関する特別措置法
平成23年度における子ども手当の支給等について必要な事項が定められました。
この法律は、一部の規定を除いて平成23年10月1日から施行されています。
(平成23.8.30法律第107号=平成23年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法)
◎ 受動喫煙防止対策助成金の創設
社会復帰促進等事業として支給される助成金に、受動喫煙防止対策助成金が追加されました。この省令は、平成23年10月1日から施行されています。
(平成23.9.6厚生労働省令第113号=労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令)
◎ 中小企業信用保険法による災害関係保証の特例の延長
東日本大震災に係る中小企業信用保険法による災害関係保証の特例の適用期間を平成24年3月31日まで延長することとしました。この政令は、公布の日から施行されています。
(平成23.9.9政令第283号=東日本大震災についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令の一部を改正する政令)
◎ 改正不正競争防止法は12月1日施行
不正競争防止法の一部を改正する法律の施行期日が、平成23年12月1日とされました。
(平成23.9.16政令第290号=不正競争防止法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令)
◎ 改正中小企業倒産防止共済法は10月1日施行
中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律に掲げる規定の施行期日が、平成23年10月1日とされました。
(平成23.9.16政令第291号=中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令)
◎ 雇用保険法による広域延長給付の対象地域を決定
雇用保険法の規定に基づき、広域延長給付が行なわれる地域が指定されました。この措置は、平成23年10月1日から平成24年9月30日まで行なわれます。
(平成23.9.28厚生労働省告示第358号=雇用保険法第25条第1項の規定に基づき広域延長給付の措置を決定する件)

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