(平成20年6月5日までの公布分)
事業者単位の管理義務の導入で省エネ法で規制される企業が拡大
平成20.5.30法律第47号=エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律、ほか
■ 業務・家庭部門の消費量が増加
日本のエネルギー消費をめぐる状況は、石油危機後や近年の不況時などを除くと、ほぼ一貫して増加しています。とりわけ、業務・家庭部門のエネルギーの消費量は大幅に増加しています。
業務・家庭部門における1人当りのエネルギー消費量を、主要国(アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ)と比較すると、日本の値は低い状況にあるものの、推移をみると、各国が微増傾向なのに対し、日本は増大する傾向で、各国間との差は縮小しています。
地球温暖化対策の推進、原油等の価格高騰といったエネルギーをめぐる環境変化に対応するためには、省エネ対策の遅れている業務・家庭部門への規制強化が必要との見解が、経済産業省等から示されていました。
■ 改正法のポイント
こうした背景を踏まえて、省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律)の改正が行なわれます。ポイントは次の2点です。
(1)業務部門等に係る省エネルギー対策の強化
現行法では、大規模な工場に対し、工場単位のエネルギー管理義務が設けられていました。
改正法では、製造業を中心とした工場だけではなく、オフィスやコンビニエンスストアなど、事業者(企業)単位のエネルギー管理義務が導入されます。
これに伴い、今後は省エネ対策を迫られる企業が確実に増えることが予想されます。エネルギー使用量ベースでみた業務部門の省エネ法規制のカバー率(現状で約1割)も増加する見通しです。
(2)住宅・建築物に係る省エネルギー対策の強化
現行法では、大規模な建築物(2,000m2以上)の建築主等に対し、省エネの取組みに関する届出義務が設けられていました。
改正法では、大規模な建築物の省エネ措置が不十分であった場合に、所管行政庁が改善措置を命令することができるようになり、罰則も導入されました。また、中小規模の住宅・建築物の建築主等にも届出義務等が導入され、住宅等への省エネ性能の表示等も推進されます。
この法律は、原則として平成21年4月1日より施行されます
◎ 経営承継円滑化法が成立 |
中小企業の事業承継を総合的に支援する中小企業経営承継円滑化法が公布されました。 この法律は、一部を除き、平成20年10月1日から施行されます。 (平成20.5.16法律第33号=中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律) |
◎ 特許出願の手数料等を引き下げる期日が決定 |
特許法等の一部を改正する法律のうち、公布の日から起算して3か月を超えない範囲内において政令で定める日から施行されるとした、「特許出願の手数料」「商標登録出願の手数料」などの引下げが、政令により平成20年6月1日より施行されています。 (平成20.5.21政令第182号=特許法等関係手数料令の一部を改正する政令) |
◎ 企業立地促進法が一部改正 |
地域による主体的・計画的な企業誘致等の取組みを支援し、地域経済の自律的発展の基盤の強化を図ることを目的とする企業立地促進法が一部改正されました。 これにより、「小規模企業の企業立地等に係る設備資金の貸付制度の創設」「食品の製造、加工、販売事業者の立地等に対する債務保証等の創設」など、企業立地等に関連する金融支援が充実されることになります。 この法律は公布の日から起算して3か月を超えない範囲内において政令で定める日から施行されます。 (平成20.5.23法律第37号=企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の一部を改正する法律) |
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック