新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成21年7月3日までの公布分)

仕事と育児・介護の両立等を支援する育児介護休業法の改正
平成21.7.1法律第65号=育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律、ほか

 男女ともに育児・介護等をしながら働ける環境を整備するため、次のような改正がありました。

育児休業の改正

  • 父親が、子の出生後八週間以内に育児休業を取得した場合、再度の育児休業を取得できる
  • 3歳未満の子どもがいる労働者を対象にした短時間勤務制度の整備を義務化
  • 労働者の配偶者が常態として子を養育できる場合に、労使協定で定めれば、その労働者からの育児休業の申出を拒むことができる旨の規定を削除
  • 父母がともに育児休業を取得する場合、育児休業取得可能期間を子が1歳2か月(従来は1歳)に達するまでに延長

看護休暇の改正
 小学校就学前の子が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日の看護休暇を取得できるようになります。

介護休暇の新設
 要介護状態の家族の介護等を行なう労働者は、要介護状態の家族が1人の場合は年5日、2人以上であれば年10日の介護休暇を取得できるようになります。

所定外労働の制限の新設
 3歳までの子を養育する労働者から請求があった場合は、事業の正常な運営を妨げる場合を除いて、所定外労働時間を超えて労働させてはならないとされました。

その他
 育児・介護休業法に違反(いわゆる「育休切り」など)している事業主に厚生労働大臣が勧告を行ない、その事業主が勧告に従わなかった場合に、企業名を公表する制度が設けられました。


 以上の改正は、一部の規定を除き、公布日から起算して1年を超えない範囲内で、政令で定める日から施行されます。

その他の新法令・通達

◎ 消費者庁を設置
 消費者行政を一元化する消費者庁が設置されます。10月からの発足が予定されています。
(平成21.6.5法律第四八号=消費者庁及び消費者委員会設置法、ほか)
◎ 雇用関連の各種助成金を拡充
 雇用調整助成金、中小企業緊急雇用安定助成金、育児・介護雇用安定等助成金が拡充されました。一部を除いて、公布日からの施行です。
(平成21.6.8厚生労働省令第121号=雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令)
◎ 独占禁止法の改正
 課徴金制度等の見直し、企業結合規制の見直し、不当な取引制限等に対する懲役刑の引上げなどが行なわれています。一部の規定を除いて、公布日から1年以内の施行です。
(平成21.6.10法律第51号=私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律)
◎ 著作権法の改正
 違法配信の音楽・映像を違法と知りつつダウンロードする行為を違法化したり、著作権者等が不明な場合に著作物等を円滑に利用するための規定などが整備されました。一部を除いて、平成22年1月1日施行です。
(平成21.6.19法律第53号=著作権法の一部を改正する法律)
◎ 租税特別措置法の改正
 経済危機対策の一環として、交際費の定額控除限度額の600万円への引上げ、試験研究開発税制の特別税額控除制度の拡充などが定められました。公布日からの施行です。
(平成21.6.26法律第61号=租税特別措置法の一部を改正する法律、ほか)
◎ 国民年金の国庫負担割合を2分の1に引上げ
 財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰入金を活用して、基礎年金の国庫負担割合が3分の1から2分の1に引き上げられました。一部を除いて、公布日からの施行です。
(平成21.6.26法律第62号=国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律)
◎ 企業再生支援機構を設置
 雇用の維持確保等の観点から地方の中堅・中小企業などの再生を支援する企業再生支援機構が設置されます。9月からの発足が予定されています。
(平成21.6.26法律第63号=株式会社企業再生支援機構法)

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック