新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成24年2月2日までの公布分)

機械に関する危険性の通知、危険有害化学物質等の表示の規制を新設
平成24年1月27日厚生労働省令第9号=労働安全衛生規則の一部を改正する省令

労働安全衛生規則が改正され、機械に関する危険性等の通知、危険有害化学物質等に関する危険性または有害性等の表示等についての規制が新設されました。主なポイントは、以下のとおりです。

機械に関する危険性等の通知
労働者に危険・健康障害を生じさせるおそれのある機械を譲渡・貸与する者は、文書等により次に掲げる事項を相手方事業者に通知するよう努めなければならないこととされました。

(1)
型式、製造番号その他の機械を特定するために必要な事項
(2)
労働者に危険を及ぼし、または労働者の健康障害をその使用により生ずるおそれのある箇所に関する事項
(3)
機械に係る作業のうち、(2)の箇所に起因する危険・健康障害を生ずるおそれのある作業に関する事項
(4)
(3)の作業ごとに生ずるおそれのある危険・健康障害のうち最も重大なものに関する事項
(5)
その他参考となる事項

危険有害化学物質等に関する危険性または有害性等の表示
化学物質、化学物質を含有する製剤その他の労働者に対する危険または健康障害を生ずるおそれのあるもので厚生労働大臣が定めるものを容器に入れ、または包装して、譲渡・提供する者は、その容器または包装の際に所要の情報を表示するように努めなければならないこととされました。

特定危険有害化学物質等に関する危険性または有害性等の通知
特定危険有害化学物質等を譲渡・提供する者は、文書等により次に掲げる事項を相手方事業者に通知するよう努めなければならないこととされました。

(1) 名称
(2) 成分およびその含有量
(3) 物理的および化学的性質
(4) 人体に及ぼす作用
(5) 貯蔵または取扱い上の注意
(6) 流出その他の事故が発生した場合に講ずべき応急の措置
(7) 通知を行なう者の氏名等
(8) 危険性または有害性の要約
(9) 安定性および反応性
(10) 適用される法令
(11) その他参考となる事項

この省令は、平成24年4月1日から施行されます。

その他の新法令・通達

◎ 復興産業集積区域における国税関係法律の特例等の要件整備
復興産業集積区域等において機械等を取得した場合の特別償却または特別税額控除制度について、その要件等が定められました。
この政令は、一部の規定を除いて平成24年1月10日から施行されています。
(平成24.1.10 政令第1号=東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行令の一部を改正する政令)
◎ 雇用保険率を引下げ
労働保険徴収法の規定に基づき、雇用保険率が変更になりました。事業主、労働者ともに1,000分の1ずつ引き下げられます。
この告示は、平成24年4月1日から平成25年3月31日まで適用されます。
(平成24.1.25 厚生労働省告示第30号=労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する件)
◎ 電離放射線により汚染された物の取扱い等を一部変更
サイクロトロン等の装置から発生した電離放射線により汚染された物の取扱いの業務が、作業環境測定および健康診断の対象となる放射線業務に追加される等の変更がありました。
この政令は、一部の規定を除いて平成24年3月1日から施行されます。
(平成24.1.25 政令第13号=労働安全衛生法施行令等の一部を改正する政令)
◎ 復興特別法人税の細目を設定
復興特別法人税の額から控除する復興特別所得税の額の計算の方法を定める等の改正が行なわれました。
この政令は、一部の規定を除いて平成24年4月1日から施行されます。
(平成24.1.25 政令第17号=復興特別法人税に関する政令ほか)
◎ 労災保険率を改定
労働保険徴収法の規定に基づき、労災保険料率が改定されました。全55の業種のうち引下げが35業種、引上げが8業種、据置きが12業種となっています。
この省令は、平成24年4月1日から施行されます。
(平成24.2.2 厚生労働省令第14号=労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令)

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック