新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成23年5月2日までの公布分)

税負担の軽減措置を盛り込んだ震災特例法が成立
平成23年4月27日法律第29号=東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律ほか

平成23年4月27日、東日本大震災の被災者等の支援策として税負担の軽減措置を盛り込んだ震災特例法が成立しました。
同時に、地方税法の一部を改正する法律も成立し、両法に関連して政令、省令、告示等も発令されました。
この法律は、公布の日から施行されています。
震災特例法は、政府・民主党が大震災の復旧・復興のために検討している特別立法の第一弾。ここでは、法人税関連のものをご紹介します。

震災損失の繰戻しによる法人税額の還付の特例
法人の平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に終了する各事業年度または平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間において生じた繰戻対象震災損失金額がある場合には、その各事業年度に係る確定申告書または当該中間期間に係る仮決算の中間申告書の提出と同時に、その繰戻対象震災損失金額に係る事業年度または中間期間開始の日前2年以内に開始した事業年度の法人税額のうち、その繰戻対象震災損失金額に対応する部分の金額の還付を受けることができることとされました。

仮決算の中間申告による所得税額の還付の特例
法人の平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間において震災により棚卸資産等について生じた損失の額で一定のものがある場合には、その中間期間に係る仮決算の中間申告において、中間期間において課される所得税額でその中間期間の法人税額から控除しきれなかった金額を還付することとされました。

中間申告書の提出に係る特例
震災に係る国税通則法の規定による申告期限の延長により、中間申告書の提出期限と確定申告書の提出期限とが同一の日となる場合は、中間申告書の提出を要しないこととされました。

被災代替資産等の特別償却の特例
事業者が、平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に、震災により減失もしくは損壊をした建物、構築物もしくは機械装置もしくは一定の船舶、航空機もしくは車両運搬具の代替資産の取得等をしてその事業の用に供した場合等には、これらの減価償却資産の取得価額にその取得等の時期に応じた償却割合を乗じた金額の特別償却ができることとされました。

特定の資産の買換えの場合等の課税の特例
事業者が、平成23年3月11日から平成28年3月31日までの期間内に、特定の資産の買換えを行なった場合には、その買換えに係る対象期間内に資産の譲渡をして、その譲渡の日を含む事業年度において取得をし、かつ、その取得の日から1年以内にその事業の用に供する資産について、その譲渡をした資産に係る譲渡利益金額に相当する金額の範囲内で圧縮記帳ができることとされました。

その他の新法令・通達

◎ 雇用保険関連の助成金等の見直し
雇用保険の助成金等の内容を見直すなどの改正が行なわれました。一部を除いて平成23年4月1日から施行されています。
(平成23.4.1厚生労働省令第48号=雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令)
◎ 障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部を改正
障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則について所要の改正が行なわれたほか、助成金の見直しが実施されました。平成23年4月1日から施行されています。
(平成23.4.1厚生労働省令第47号=障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則の一部を改正する省令ほか)
◎ 職業能力開発基本計画を策定
成長が見込まれる分野の人材育成と雇用のセーフティネットの強化を図るため、職業能力開発基本計画が策定されました。
(平成23.4.15厚生労働省告示第143号=職業能力開発基本計画を定めた件)
◎ 震災に関する諸費用の法人税の取扱いを公表
災害損失特別勘定への繰入額の損金算入、損壊した賃借資産等に係る補修費、被災者用仮設住宅の設置費用などについての取扱いが定められました。
(平成23.4.18国税庁課法2-3ほか=東日本大震災に関する諸費用の法人税の取扱いについて)

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック