新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成23年6月2日までの公布分)

賃金日額の下限額、就業促進手当の給付率を引上げ
平成23年5月20日法律第46号=雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律

最近の雇用失業情勢等をふまえて、労働者の生活の安定、再就職の促進等を図るため、雇用保険の賃金日額の下限額引上げ、就業促進手当の給付率引上げ等の改正が行なわれました。
一部を除いて平成23年8月1日から変更(適用)されます。

賃金日額の下限額引上げ
(1)賃金日額の下限額が2,320円に引き上げられ(改正前は2,000円)、賃金日額の上限額が次の額となります。

   ・60歳以上65歳未満:1万5,020円(同1万4,540円)
   ・45歳以上60歳未満:1万5,730円(同1万5,010円)
   ・30歳以上45歳未満:1万4,300円(同1万3,650円)
   ・30歳未満:1万2,870円(同1万2,290円)

(2)基本手当の給付率に応じて定められている賃金日額の範囲の額が次の額となります。

   ・60歳未満の受給資格者の基本手当の給付率が
    100分の80から100分の50となる賃金日額の範囲:

      4,640円以上1万1,740円以下(同3,950円以上1万1,410円以下)

   ・60歳以上65歳未満の受給資格者の基本手当の給付率が
    100分の80から100分の45となる賃金日額の範囲:

      4,640円以上1万570円以下(同3,950円以上1万230円以下)

就業促進手当の給付率引上げ
一定の給付日数を残して安定的な職業に就いた場合に支給される再就職手当の給付率が、次のように引き上げられます。

   ・給付日数を3分の1以上残して就職した場合:
      50%(改正前は30%、暫定措置として40%)

   ・給付日数を3分の2以上残して就職した場合:
      60%(改正前は30%、暫定措置として50%)

また、就職困難者(障害者等)が一定の基準を満たして安定的な職業に就いた場合に支給される常用就職支度手当が、30%(暫定措置として40%)から40%に引き上げられ、恒久化されます。

その他の新法令・通達

◎ 大震災に対処するための特別の財政援助と助成を実施
東日本大震災に対処するため、社会保険等の負担軽減、中小企業に対する金融支援等特別の助成措置について定められた法律が、公布の日(5月2日)から施行されています。
(平成23.5.2法律第40号=東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律)
◎ 労災保険法における書類の様式の変更
平成23年5月9日より、労災保険法施行規則の規定に基づき、労災保険の施行に関する事務に使用する文書の様式の一部が変更になりました。
(平成23.5.6厚生労働省告示第155号=労働者災害補償保険法の施行に関する事務に使用する文書の様式を定める件の一部を改正する件)
◎ 特定求職者の就職支援に関する法律を創設
特定求職者の就職を促進し、その職業や生活の安定に資することを目的とした新法が創設されました。
この法律は、一部の規定を除いて平成23年10月1日から施行されます。
(平成23.5.20法律第47号=職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律)
◎ 寄附金控除の対象となる寄附金についての改正
公益社団法人または公益財団法人に対してなされる寄附金の規定の一部について所要の改正が行なわれました。
(平成23.5.20財務省告示第174号=寄附金控除の対象となる寄附金又は法人の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する寄附金を指定する件の一部を改正する件)
◎ 資本市場、金融業の基盤強化のための諸法律の整備
資本市場、金融業の基盤強化を目的として、金融商品取引法、無尽業法、農業協同組合法、投資信託及び投資法人に関する法律、銀行法、保険業法、資産の流動化に関する法律等の一部が改正になりました。
一部を除いて公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されます。
(平成23.5.25法律第49号=資本市場及び金融業の基盤強化のための金融商品取引法等の一部を改正する法律)

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