新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成21年6月3日までの公布分)

代替休暇・時間単位年休の労使協定事項が明らかに
平成21.5.29厚生労働省令第113号=労働基準法施行規則等の一部を改正する省令、ほか

 労働基準法の改正により、平成22年4月1日から、月60時間超の残業時間の割増率が50%以上に引き上げられ、また時間単位の有給休暇の付与が認められます。
 これに伴い、労使協定で定めるべき事項が明らかにされました。

代替休暇を定める場合の労使協定の内容
 使用者は、月60時間を超える残業をした労働者に対して、労使協定によって有給休暇以外の特別の休暇(代替休暇)を与えることを定め、労働者が代替休暇を取得した場合には、50%以上の割増賃金を支払う必要がありません。
 この労使協定をする場合には、次に掲げる事項について協定することとされました。
 (1)代替休暇として与えることができる時間の時間数の算定方法
 (2)代替休暇の単位(1日または半日)
 (3)代替休暇を与えることができる期間(延長して労働させた時間が1か月について60時間を超えた、その1か月の末日の翌日から2か月以内)

時間単位で年次有給休暇を付与する場合の労使協定の内容
 労使協定で定めるべき「その他厚生労働省令で定める事項」は次のとおりです。
 (1)時間を単位として与えることができる有給休暇1日の時間数
  (1日の所定労働時間数、日によって所定労働時間数が異なる場合は1日平均所定労働時間数を下回らない範囲内)
 (2)1時間以外の時間を単位として有給休暇を与える場合には、その時間数
  (1日の所定労働時間数に満たない範囲内)
 この省令は、平成22年4月1日から施行されます。
 なお、中小事業主は、当分の間、60時間超の残業時間に対する50%割増は適用されません。

その他の新法令・通達

◎ 社会保険料の延滞金を軽減
 社会保険料を滞納した事業主が支払う延滞金の利率が、3か月までは、前年11月末日の公定歩合に4%を加算した割合(上限7.3%)に引き下げられました。平成22年1月1日以降に納期限が到来する保険料等の延滞金から適用されます。
 なお、4か月目以降の延滞金は従来どおり年14.6%です。
(平成21.5.1法律第36号=社会保険の保険料等に係る延滞金を軽減するための厚生年金保険法等の一部を改正する法律)
◎ 本来の支給日から大幅に遅れた年金給付に加算金を支給
 年金記録の訂正で過去に遡って年金が支給される場合には、その遅れた年金給付について現在価値に見合うよう、加算金が支給されることになりました。
 公布日から起算して1年を超えない範囲内で、政令で定める日から施行されます。
(平成21.5.1法律第37号=厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律)
◎ 高齢ドライバーの認知機能検査の内容を定める
 6月1日から、75歳以上の高齢ドライバーの運転免許更新に際して「認知機能検査」が義務づけられたことに伴い、検査の方法等が定められました。
(平成21.5.11内閣府令第28号=道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令)
◎ 私的録音録画補償金制度の対象にBDを追加
 平成21年5月22日から私的録音録画補償金に係る特定機器に、ブルーレイ・ディスク・レコーダーが追加されました。
(平成21.5.15政令第137号=著作権法施行令の一部を改正する政令)
◎ 公共サービス基本法を制定
 公共サービスの基本理念、国等の責務が定められました。
 公布日から起算して6か月を超えない範囲内で、政令で定める日から施行されます。
(平成21.5.20法律第40号=公共サービス基本法)
◎ 出産育児一時金等が4万円加算されて原則42万円に
 平成21年10月1日から23年3月31日までの出産に対して支給される出産育児一時金等が、従来の額に4万円加算されます。公布日からの施行です。
(平成21.5.22政令第139号=健康保険法施行令等の一部を改正する政令)

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