新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成23年3月1日までの公布分)

出産育児一時金制度の直接支払制度を改善し受取代理を制度化
平成23年1月31日厚生労働省保発0131第2号ほか出産育児一時金等の支給申請及び支払方法について

1月31日、出産育児一時金制度の一部が見直され、「直接支払制度」の改善、「受取代理」の制度化が盛り込まれました。
4月1日の以降の出産に係る出産育児一時金の受給権を有する被保険者等が対象です。
出産育児一時金制度とは、健康保険法等に基づく保険給付として、健康保険や国民健康保険などの被保険者またはその被扶養者が出産したときに、出産に要する経済的負担を軽減するため、一定の金額が支給される制度です。
同制度については、緊急の少子化対策の一環として、安心して出産できる環境を整備する観点から、平成21年10月から平成23年3月までの暫定措置として、医療機関等への直接支払制度を実施してきました。
この直接支払制度とは、出産育児一時金の請求と受取りを妊婦などに代わって医療機関等が行なう制度です。出産育児一時金が医療機関等へ直接支給され、手続き等も医療機関側が行なってくれます。
平成23年4月以降のこの制度について、以下のような見直しを行なうこととしました。


(1)出産育児一時金の支給額は、引き続き42万円とする
在胎週数が22週に達していないなど、産科医療補償制度加算対象出産でない場合は39万円となります。

(2)「直接支払制度」を改善するとともに、小規模施設などでは「受取代理」を制度化し、引き続き窓口での負担軽減を図る
直接支払制度については、手続きの簡素化などを進めるほか、医療機関等における事務負担の軽減を図るとしています。
一方の受取代理制度とは、妊婦などが、加入する健康保険組合などに出産育児一時金の請求を行なう際、出産する医療機関等にその受取りを委任することにより、医療機関等へ直接出産育児一時金が支給される制度です。こちらは、手続き等は利用者側が行なうことになります。
年間の分娩件数100件以下の診療所、助産所や、正常分娩にかかる収入の割合が50%以上の診療所、助産所を目安として、厚生労働省に届出を行なった分娩施設は、受取代理制度を導入することとなります。

その他の新法令・通達

◎ 雇用保険率を昨年度と同水準に据置き
平成23年度における雇用保険率が、平成22年度と同様、一般の事業で1,000分の15.5、農林水産・清酒製造の事業で1,000分の17.5、建設の事業で1,000分の18.5となりました。
平成23年4月1日から、平成24年3月31日までの適用となります。
(平成23.2.10厚生労働省告示第29号=労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する件)
◎ 協会けんぽの都道府県単位保険料率を認可
1月31日に決定された、全国健康保険協会の都道府県単位保険料率が認可されました。新しい保険料率は、平成23年3月分(4月控除・納付分)から適用されます。
(平成23.2.21厚生労働省告示第33号=健康保険法の規定により申請のあった全国健康保険協会の都道府県単位保険料率の変更について認可した件)
◎ 日雇特例被保険者に関する保険料等を改定
健康保険法施行令の規定に基づき、日雇特例被保険者に関する保険料額、日雇特例被保険者の負担すべき額、日雇特例被保険者を使用する事業主の負担すべき額の一部が改定されました。
この告示は、平成23年4月1日から適用されます。
(平成23.2.21厚生労働省告示第35号=日雇特例被保険者に関する保険料額並びに日雇特例被保険者の負担すべき額及び日雇特例被保険者を使用する事業主の負担すべき額の一部を改正する件)
◎ 危険物の規制の一部緩和
危険物規制の合理化を図るため、一定の特定屋外タンク貯蔵所に係る保安検査について、その時期を延長することが可能となりました。
この政令は、平成23年4月1日から施行されます。
(平成23.2.23政令第13号=危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令)
◎ 船員法施行規則の一部を改正
船員法施行規則の第7号表の一部が改正されました。
この省令は、公布の日から施行されました。
(平成23.2.25国土交通省令第8号=船員法施行規則の一部を改正する省令)

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック