新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成21年3月2日までの公布分)

結核健康診断の廃止など労働安全衛生規則が改正される
平成21.3.2厚生労働省令第23号=労働安全衛生規則の一部を改正する省令、ほか

 労働安全衛生規則など、労働安全に関する法令の整備が進んでいます。この春の労働安全衛生規則改正の大きな柱は2点です。

結核健康診断の廃止
 これまで結核の発病のおそれがあると診断された労働者に対し、6か月後の胸部X線検査などの「結核健康診断」が義務づけられていました(46条)。結核の発生状況の変化、治療技術の向上等を背景に、定期結核検診がハイリスク・デインジャー層に絞られた2007年の結核予防法改正との整合性を図るということから、四六条は4月1日に廃止され、結核健康診断を実施しなくてもよくなりました。

足場からの墜落防止措置
 わく組足場については、交さ筋かいとともに講じる措置として、

高さ15センチ以上40センチ以下のさん、もしくは高さ15センチ以上の幅木、またはこれらと同等以上の機能を有する設備
手すりわく
のいずれかを、わく組以外の足場(単管足場など)については、
高さ85センチ以上の手すり、またはこれと同等以上の機能を有する設備および中さん等
を設けることとされました。
 物体の落下防止措置として、高さ10センチ以上の幅木、メッシュシート、防網などの設置義務についても明文化されました。
 そのほか、事業者の作業開始前の設備の点検と補修、作業終了時までの点検記録の保存を事業者と注文者(元請)に義務づけるなど、安全対策を強化する内容になっています。
 この省令は一部を除き、6月1日に施行されます。

石綿則も規制強化へ
 「石綿障害予防規則等の一部を改正する省令」(平成21.2.5厚生労働省令第9号)も公布されています。
 事前調査について、調査終了年月日、調査方法、結果の概要を作業に従事する労働者が見やすい場所に掲示することが義務づけられたほか、次のような内容が盛り込まれています。

  • 隔離の措置を講ずべき作業の範囲の拡大(石綿等が使用されている断熱材、耐火被覆材等の除去の作業であって、切断、穿孔、研磨等の作業が伴うものを追加)
  • 隔離作業場所における新たな措置(隔離作業場所の排気に集じん・排気装置を使用することなど)の義務づけ
  • 隔離作業場所内の石綿等の紛じんの処理
  • 電気ファン付き呼吸用保護具等の使用の義務づけ
  • 船舶の解体等の作業に係る措置(船舶の解体等の作業について、建築物等の解体等の作業に係る措置の規定の一部を適用)
 こちらも石綿ばく露防止対策の強化を図ったものといえます。
 改正石綿則は4月1日(船舶の解体等に係る措置は7月1日)の施行です。

その他の新法令・通達

◎ 介護保険料率の改定
 平成21年度から平成23年度までの介護保険の保険料の基準額を各年度ごとに算定できることとされ、協会けんぽ等の新年度に適用される介護保険料率が示されています。
(平成21.2.4政令第17号=介護保険法施行令の一部を改正する政令、ほか)
◎ 医薬品の通信販売規制
 医薬品のネット販売等を規制する改正薬事法の施行に伴い、施行規則等の一部を改正する省令が公布されています。
(平成21.2.6厚生労働省令第10号=薬事法施行規則等の一部を改正する省令、ほか)
◎ 労災保険率の改定
 平成21年4月1日から適用される労災保険率が公布されました。
(平成21.2.19厚生労働省令第16号=労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令)

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