新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成20年8月4日までの公布分)

公益法人関係税制や耐用年数の短縮制度に関する通達を整備
平成20.7.2課法2-5他1課共同=法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)、ほか

 平成20年度税制改正を受けて、法人税基本通達等について、所要の整備が行なわれました。主な内容は次のとおりです。

公益法人関係税制の整備
 公益法人制度改革に伴い、一般社団法人・一般財団法人が登記のみで設立できるとともに、一定の基準を満たす場合は行政庁の公益認定により公益社団法人・公益財団法人となる制度が、ことし12月1日から施行されます。
 新制度の創設に当たって、非営利型法人となるための要件、法人区分の異動に伴う事業年度や所得計算などに関する規定が整備されました。新たに規定された通達には次のものがあります。
 ・非営利型法人における特別の利益の意義
 ・主たる事業の判定
 ・理事の親族等の割合に係る要件の判定
 ・公益法人等が普通法人又は協同組合等に該当することとなった日等
 ・労働者派遣業の範囲

耐用年数の短縮制度(耐用年数短縮が届出により認められる資産の更新に含まれる資産の取得等)
 法人税法施行規則16条1号(構成が著しく異なる場合の耐用年数の短縮)に掲げる事由等により承認を受けた短縮特例承認資産について、次の事実が生じた場合も「新たな資産と取り替えた場合」に含まれるものとして、変更点等の届出により短縮制度が適用される旨を明らかにしています。
 ・短縮特例承認資産の一部を除却することなく、その短縮特例承認資産に属することとなる資産を新たに取得したこと
 ・短縮特例承認資産に属することとなる資産を新たに取得することなく、その短縮特例承認資産の一部を除却したこと

その他の新法令・通達

◎ 日本政策投資銀行法施行規則が定められる
 株式会社日本政策投資銀行法の規定に基づき、ならびに同法を実施するため施行規則が定められました。公布日(平成20年7月18日)からの施行です。
(平成20.7.18財務省令第50号=株式会社日本政策投資銀行法施行規則)
◎ 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律は8月1日施行
 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律(平成20年法律第62号)の施行期日は平成20年8月1日です。
(平成20.7.18政令第232号=中小企業金融公庫法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令))
◎ 農商工等連携促進法は7月21日施行
 中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律(平成20年法律第38号)の施行期日は平成20年7月21日です。併せて同施行令も同日に施行されました。
(平成20.7.18政令第233号=中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律の施行期日を定める政令、ほか))
◎ 労災保険基礎日額の引下げ等
 労働者災害補償保険法施行規則の規定に基づき、労災保険給付における給付基礎日額の最低保障額を4.060円(改正前4,080円)とするなど、所要の改正が行なわれました。8月1日から適用されています。
(平成20.7.24厚生労働省告示第404号=労働者災害補償保険法施行規則第九条第2項及び第3項の規定に基づき、自動変更対象額を変更する件、ほか)
◎ 経営承継円滑化法の民法の特例は平成21年3月1日施行
 一定要件を満たす後継者が、遺留分権利者から書面による合意を得て、経済産業大臣の確認等を受けた場合の民法の遺留分についての特例は、平成21年3月1日から施行されます。また、法律の適用対象となるゴム製品製造業、ソフトウェア業または情報処理サービス業、旅館業の資本金等の額と従業員数が定められました。
 (平成20.8.1政令第244号=中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律の一部の施行期日を定める政令、同245号=中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行令)

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック