新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成24年4月6日までの公布分)

労働者派遣のマージン率(派遣料金に占める賃金の割合)の公開を義務付け
平成24年4月6日法律第27号=労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律

派遣労働者の雇用安定、待遇改善を盛り込んだ改正労働者派遣法が成立しました。
主なポイントは、以下のとおりです。

(1) 日雇労働者についての労働者派遣の原則禁止
派遣元事業主は、日々または30日以内の期間を定めて雇用する労働者(日雇労働者)について、労働者派遣を行なってはならないとされました。
ただし、日雇労働者を従事させても適正な雇用管理に支障を及ぼす恐れがないと認められる業務として政令で定める業務について労働者派遣を行なう場合、または雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合、その他政令で定める場合は除外されます。

(2) 均衡を考慮した待遇の確保
派遣元事業主は、派遣労働者の賃金等について、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先労働者との均衡に配慮しなければならないとされました。

(3) 情報提供義務の創設
派遣元事業主は、労働者派遣に関する料金の平均額と派遣労働者の賃金の平均額の差が労働者派遣に関する料金の平均額に占める割合等(いわゆるマージン率)の情報の提供を行なわなければならないとされました。

(4) 派遣労働者に対する1人当り派遣料金の額を明示
派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとする場合には、その労働者に対し、その労働者に係る労働者派遣料金を明示しなければならないとされました。

(5) 労働契約申込みみなし制度等の創設
派遣先が無許可派遣元事業主等から労働者派遣の役務の提供を受ける等違法行為を行なった場合、その時点において、派遣先から派遣労働者に対し、労働契約の申込みをしたものとみなす、とされました。
なお、この法律は公布の日から起算して6か月を超えない範囲内で政令で定める日から施行されます。
ただし、(5)の規定についてはこの法律の施行の日から起算して3年を経過した日から施行されます。

その他の新法令・通達

◎ 休業補償給付のスライド率を改定
労働基準法施行規則の規定により、平成24年4月1日から平成24年6月30日までの間における休業補償の額を算定する際に用いる率(スライド率)が改定されました。
(平成24.3.27厚生労働省告示第167号=労働基準法施行規則第38条の7から第38条の9までの規定に基づき、休業補償の算定に当たり用いる率を定める件)
◎ 所定給付日数の暫定措置が2年間延長
雇用保険法における所定給付日数の延長に関する暫定措置等の期限が平成26年3月31日まで2年間延長されることとなりました。
この法律は平成24年3月31日から施行されています。
(平成24.3.31法律第9号=現下の厳しい雇用情勢に対応して労働者の生活及び雇用の安定を図るための雇用保険法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律)
◎ 他人のID不正取得も処罰へ
識別符号(IDやパスワード)の不正流通の防止や罰則の強化等を図るため、不正アクセス禁止法が改正されました。
この法律は、平成24年3月31日から起算して1か月を経過した日から施行されます。
(平成24.3.31法律第12号=不正アクセス行為の禁止等に関する法律の一部を改正する法律)
◎ 平成24年度の税制関連法案が成立
中小企業投資促進税制、環境関連投資促進税制、研究開発税制の見直し等が盛り込まれた平成24年度税制改正関連法案が成立しました。
この法律は、一部を除いて平成24年4月1日から施行されています。
(平成24.3.31法律第16号ほか=租税特別措置法等の一部を改正する法律)
◎ 中小企業金融円滑化法を1年延長
中小企業金融円滑化法の期限が1年延長され、平成25年3月31日までとされました。
この法律は、平成24年3月31日から施行されています。
(平成24.3.31法律第21号=中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律の一部を改正する法律)

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック