新法令・通達

新法令・通達の解説

(平成24年9月3日までの公布分)

パート社員等への社会保険の適用拡大
平成24年8月22日法律第62号=公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律

公的年金制度の最低保障機能の強化等のため、老齢基礎年金の受給資格期間が短縮されるとともに、短時間労働者への厚生年金・健康保険の適用拡大、産前産後休業期間の厚生年金保険・健康保険の保険料免除の措置等が講じられました。
改正のポイントは、以下のとおりです。

【1】 老齢基礎年金の受給資格期間の短縮
納付した保険料に応じた給付を行なうとともに将来の無年金者の発生を抑えていく観点から、受給資格期間が現行の25年から10年に短縮されました。対象となる年金は、老齢基礎年金、老齢厚生年金、退職共済年金等です(平成27年10月1日施行)。

【2】 基礎年金国庫負担2分の1を恒久化する特定年度
平成26年度からの消費税増税により得られる税収が基礎年金国庫負担2分の1の恒久化に充てられる時期が26年度からとされました(平成26年4月1日施行)。

【3】 短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用拡大
これまで厚生年金・健康保険の適用の要件は「週所定労働時間が30時間以上」でしたが、以下のように変更されます(平成28年10月1日施行)。

1.週所定労働時間が20時間以上
2.月額賃金8万8,000円以上(年収106万円以上)
3.勤務期間1年以上
4.学生は適用除外
5.従業員501人以上の企業

【4】 産前産後休業期間の厚生年金・健康保険の保険料を免除
これまで育児休業期間の厚生年金と健康保険の保険料は免除されていましたが、産前産後休業期間の保険料は免除されていませんでした。
そこで、次世代育成支援の観点から、産前産後休業を取得した者にも、保険料免除措置が講じられました。
一方、産前産後休業終了後に育児等を理由に報酬が低下した場合に、定時決定まで保険料負担が休業前と同額とならないよう産前産後休業終了後の3か月間の報酬月額をもとに、標準報酬月額が改定されます(平成24年8月22日から2年を超えない範囲内で政令で定める日から施行されます)。

その他の新法令・通達

◎ 労働契約法の一部が改正
有期労働契約を長期にわたり反復更新した場合は無期労働契約へ転換される規定が設けられるなどの改正が行なわれました。
一部の規定を除いて平成24年8月10日から施行されています(有期労働契約の無期労働契約への転換については、平成24年8月10日から1年を超えない範囲内で政令で定める日から施行されます)。
(平成24.8.10法律第56号=労働契約法の一部を改正する法律)
◎ 厚生年金保険の届出方法が一部変更
平成24年8月13日より、事業主が行なうこととされている届出のうち磁気ディスクを提出する方法に加え書類を提出する方法が認められました。
(平成24.8.10厚生労働省令第113号=厚生年金保険法施行規則等の一部を改正する省令)
◎ 雇用保険法による助成金の一部見直し
雇用保険法における雇用調整助成金等の支給要件について、一部見直しが行なわれました。
一部の規定を除いて平成24年10月1日から施行されます。
(平成24.8.14厚生労働省令第115号=雇用保険法施行規則の一部を改正する省令)
◎ 公共職業安定所の業務について一定の都道府県知事との間に協定を締結
当分の間、試行的に、厚生労働大臣が一定の都道府県知事との間に、その都道府県内の一の公共職業安定所の業務に関する事項についての協定を締結する規定が新設されました。
一部の規定を除いて平成24年10月1日から施行されます。
(平成24.8.21厚生労働省令第117号=雇用対策法施行規則の一部を改正する省令)
◎ 被用者年金の制度間差異が解消へ
保険料負担や保険給付の公平性を確保することにより、公的年金制度全体に対する国民の信頼を高めるため、公務員、私学学校教員についても厚生年金保険制度を適用する措置を講ずることとされました。
一部の規定を除いて平成27年10月1日から施行されます。
(平成24.8.22法律第63号=被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律)

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